社長通信(Never Ending Story) vol.126

  • 社長通信
  • 福利厚生

みなさん、こんにちは!
今週も【社長通信】をお届け♪

~放てば手に満てり~

日が経つごとに秋が深まって、
街路樹の木々が少し色づきはじめました。
あれほど青々としていた枝も、
いまは少しずつ静かに身を軽くして、
冬を迎える準備をしています。
落ち葉はやがて土に還り、
目に見えないところで
新しい命へと繋がっていきます。
自然はあえて手放すことで、
未来に備えています。
放つことは終わりではなく、
はじまりの一歩とも言えます。

曹洞宗の開祖、
道元禅師は
「放てば手に満てり」
という言葉を遺されました。
放つとは、単に失うことではありません。
それは「空」をつくること。
ギュッと握りっぱなしでは、
新しいものは掴めません。
「空」とは一見何もないように見えて、
実は何にでもなり得る
可能性に満ちた状態のことです。

枯山水の白砂、水墨画の余白、生け花の間。
これらはいずれも「空」の美であり、
「余白」の美学でもあります。
手放すことで生まれる静寂の向こうには、
無限の世界が広がっている。
人の生き方においても、
同じようなことが言えるのではないでしょうか。

抱え込みすぎれば、
空気の流れは止まり、
光は届かなくなります。
しかし、意図的に余白をつくれば、
その隙間には自然と
新しい発想や可能性が満ちてくる。
手放すとは信じることであり、
また託すことでもあります。
信じて手放したその瞬間から、
新たな成長が始まります。
親離れや子離れも同じでしょう。
日常からほんの少しだけ距離を置いてみる。
その隙間があるからこそ、
私たちは自分を客観的に見つめ直し、
同時に支えてくれる人の有り難さを
深く感じることができます。

だからこそ、
皆さんに是非活用していただきたいのが、
長期休暇制度です。
一般社員は4日間、管理職は7日間、
50歳以上の管理職なら10日間ですね。
周りへの配慮は忘れずに、
遠慮なく「空」をつくる時間にしてください。
離れることで見えてくる世界があります。
余白は単なるサボりではなく、
自分と周りを成長させてくれる時間です。

木々が一時的に葉を落とすのは、
新たな葉を宿すための前準備です。
何もなくなったように見えて、
何にでもなりうる可能性を手にしています。
私たちも日常に余白を持ちましょう。
落ち葉が土地を肥やすように、
この秋に生まれた余白が
きっと次の季節の糧になります。
人生もまた季節のように巡るもの。
焦らず、弛まず、
風に揺れる木々のようにしなやかに。
与えられた場所で
春に向けて新たな芽を育んでいきましょう。

今週も当たり前のことに感謝しながら、
末広がりの明るい未来を見据えて、
2度とない「いま・ここ・わたし」を
大切に生きましょう。
この1週間の先に、
あなたは誰の咲顔を描いていますか?
明日のために今日、幸せの種を蒔こう。
すべては、私たちの明日の咲顔のために!

To be continued…