社長通信(Never Ending Story) vol.25

  • 社長通信

みなさん、こんにちは!
本日も【社長通信】をお届け♪

~人生のメガネ選び~

アメリカのハーバード大学で
75年以上の歳月をかけて
「ある調査」が行われました。
その調査の目的は
「人の幸せに大きな影響を与える要因」
を調べることです。
具体的には総計700名ほどを対象に、
肉体的および心理的な
健康状態についての追跡調査です。
調査対象は2グループでした。
ひとつはボストン在住の貧しい男性 約450名。
もうひとつは
ハーバード大学を卒業した男性約250名。
あえて大きく異なったカテゴリに
属する人々を追跡調査することで、
何が人生に幸福や健康・良い歳のとりかたを
もたらすのかを明らかにしようとしたのです。
血液の分析や脳画像診断、
遺伝子検査やインタビューなど、
75年という長い期間の中で、
数世代にも渡る研究者たちが、
その時代の最新の調査手法を用いて
調査を続けました。

最終成果を取りまとめた責任者によると、
この研究によって
明らかになったことがあるそうです。
それは数ある要素の中で、
ある特定の要素が
人生の後期の幸福度に傑出したインパクトを
与えているという事実でした。

結論は
「質の高い人間関係こそが、
人生をより幸福にし、より健康にする」
ということです。
大切なのは人間関係の「質」であって、
友人・知人などの数の多さでもなく、
また理想的な恋人や配偶者がいるかいないか、
ということでもなかったということです。

話は変わります。
数年前に『嫌われる勇気』という
アドラー心理学に関する本が
話題になりました。
覚えている人や読んだことがある人もいるでしょう。
心理学者アドラーは
「すべての悩みは対人関係の悩みである。
同時に、幸せの源泉もまた対人関係である」
と考えました。
なんだか先のハーバード大学の
研究結果と似ていませんか?
アドラーによると、
人間関係で悩みやストレスを抱えがちな人は、
他人を競争相手と考え、
自分を大きく見せようとしたり、
もしくは卑下したりする人だそうです。
その逆に質の高い人間関係に恵まれる人は
相手を信頼し、仲間だと考える人です。
そして常に自分が相手に
なにを与えられるか?を考える人です。

経済的、物質的に豊かな国ほど
「空虚感」や「心のむなしさ」が
社会問題になる傾向があるように思います。
もしかしたら食べるために必死、
生きるために必死な国なら、
対人関係についてアレコレ考えたり
悩んだりする余裕もないのかも知れません。
一方で、経済的・物質的に
豊かな国はどうでしょうか。
学校の成績から始まって、
進学先、学歴、就職先、資格、年収、
容姿、住んでいる家や乗っている車など…、
他人との比較がついて回るようになります。
これまでも何度かSNSやインスタの
弊害について触れてきました。
他人との比較には際限がありません。
その先に幸せがないことは、
なんとなくわかると思います。

人は他人と関わる事なしに
生きていくことはできません。
この世界は「自分」と「自分以外」
で成り立っています。
だから私たちの周りにも
たくさんの人間関係があります。
例えば「夫」と「妻」、
「親」と「子」、「男」と「女」、
「若者」と「老人」、「上司」と「部下」、
「会社」と「組合」…
これらを「私」vs「あなた」と
対立・競争関係と考えるか、
それとも「私たち」という共同体として考えるか。
メガネみたいなもので、
どちらを選ぶかで世界の見え方は変わってきます。
「私」vs「あなた」だと考えれば、
奪い合いになるかも知れません。
「私たち」だと考えれば、
与え合いになるかもしれません。
これは「天国と地獄のうどんの話」そのものです。
与えるという行為は、
仏教では「布施」といい、
修行の1つに数えられます。
咲顔も、言葉も、
差し伸べる手も立派な「布施」です。

ハーバード大学による75年間の調査も、
心理学者アドラーの主張も、
そしてお釈迦様が2500年前に説かれたことも、
結局私には
同じことを言っているように思えます。
人間には自らの言動を自覚できるという
優れた特質があります。
同時に私たち人間は主体的な存在であり、
自らの意志に基づいて選択する
自由が与えられています。
あなたはどのメガネを選びますか。

今週も幸せの種を蒔きましょう。
私たちの周りにいてくれる大切な人が
幸せであり続けますように。

To be continued…