社長通信(Never Ending Story) vol.10
みなさん、こんにちは!
本日も【社長通信】をお届け♪
ここにしかない時間を、
お楽しみください…
~野鴨たれ~
老舗企業にはその歴史の中で理念や思想、
哲学と呼ばれるものが
自然に醸成されていくものです。
これは日本でもアメリカでも変わりません。
アメリカ会社というと
GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの
頭文字)を中心とした
グローバルベンチャー企業が
注目されがちですが、
社歴100年を超えるような
老舗企業も多く存在します。
その1つにIBMという
テクノロジー企業があります。
創業1911年で本社はニューヨーク。
今年で創業111年の歴史を有する老舗です。
そのIBMの社是には
「社員を大切にする」とあるそうです。
転職(実際は引き抜きやヘッドハンティング)するほど
箔がつくと言われるアメリカにあって、
IBMの社員は総じて勤続年数も長いそうです。
そのIBMには
「野鴨の精神(Wild Ducks)」と呼ばれる
社是・哲学があります。
これまでも何度か紹介してきましたが、
新入社員も増えてきたので
改めてご紹介しましょう。
『デンマークのジーランド地方の
古城を映す湖には、
毎年鴨が飛んできます。
そこにはいつも餌を用意した
老人が待っていました。
渡り鳥は季節が移ると次の土地に向かって
飛び立つものですが、
いつしか鴨たちは食べ物に恵まれて、
次の湖へ飛び立つ必要がないと思い、
そこに住み着いてしまいました。
ある年、その老人が亡くなりました。
餌をもらえなくなった鴨たちは、
本来は自分で餌を探しに
次の湖へ飛び立たねばなりません。
しかし飛べません。
なぜなら、
野生を無くしてしまった鴨たちは
まるでアヒルのように肥えてしまい、
羽ばたいても飛べなくなっていたからです。
やがて、
春の雪解けの濁流が湖に流れこんできました。
野生を失った太った鴨たちは、
なすすべもなく押しながされて
すべて死に絶えてしまいました。
寓話の教訓はこうです。
野鴨を飼いならすことはできても、
飼いならされた鴨を野に返すことは決してできない。
IBMではこのような社員の育て方はしない。』
本来、
野鴨は厳しい自然の中で
生きている動物です。
濁流が流れ込んできても、
自らの翼で飛び立って、
新たな餌場を探して
生き抜いていくものです。
そういう逞しい野鴨を育てる
という意味でIBMは
「社員を大切にする」と言っているわけです。
「ちっとも大切にしていないではないか」
と一瞬、思うかも知れません。
しかし、
大切にすることと甘やかすことは違います。
お陰様でこの冬も、
規定通りに賞与を支給することができます。
改めてみなさんありがとうございました。
私が知る限り桶庄は、
これまで1人のリストラをすることなく、
毎年2回の賞与と
年1度の昇給を欠かすことなく
ずっと継続してくることができました。
また、数年前には管理職手当の増額や、
この4月からは総合職はすべて
みなし残業制への移行し、
超過分の支給も可能になりました。
どれも日頃からの皆さんの
ご協力あってのことと感謝しています。
しかし、この150年の歴史は
151年目を保証してくれるものではありません。
環境や状況は常に変化していきます。
私たちの都合は待ってくれません。
この先もいろいろなことが待っているでしょう。
「小善は大悪に似たり。大善は非情に似たり」
と言います。
野生の鴨のように、
たとえ何があっても、
どこへ行っても、
1人の社会人として立派に生きていけるよう、
時には厳しさを持ってしっかりと育てること。
これが真の愛情だと思いますがいかがでしょうか。
今週も幸せの種を蒔きましょう。
私たちの周りにいてくれる大切な人が
幸せでありますように。
To be continued…