社長通信(Never Ending Story) vol.9

  • 社長通信

みなさん、こんにちは!
本日も【社長通信】をお届け♪

ここにしかない時間を、
お楽しみください…

~やりがい~

「やりがい」という言葉があります。
一方で「やらされがい」という言葉は
あまり耳にしませんね。
今週は「やりがい」、
更には「生きがい」について
少し考えてみたいと思います。
仕事柄いろいろな会社の求人票を目にしますが、
その中にも「やりがい」という言葉が
頻繁に出てきます。
特に住宅不動産やカーディーラーなどの
営業職でよく見られます。
例えば求人票にはこのように書いてあります。

『勤務年数や資格の有無ではなく、
個人の実力で給与が変わる歩合制を導入!
入社直後の社員であっても
高収入を得るチャンスがあります。
固定給よりもやりがいを感じて
仕事に打ち込める環境です!』
これと似たような記述を
目にしたことがある方も多いでしょう。
他にも、
福利厚生なども「やりがい」と
関連付けられやすいようです。
『マイカー通勤OK!制服貸与!
年間休日130日!自分のペースで働ける!
タクシードライバーは納得の福利厚生で
やりがい充分!』
などなど。
読んでいて私は日本語に違和感を覚えます。
みなさんはいかがですか?
これらの「給与」や「福利厚生」、
また「休日」などは総称して対価や報酬、
労働条件と呼ばれるものです。

話は変わります。
身近で「やりがい」を感じるものの代表に
趣味があります。
例えば、私なら車の運転が趣味です。
運転という行為そのものが好きで、
車の中で過ごす時間が好きで、
眺めたり、洗車したり、
行くあてもなくドライブすることが楽しいです。
皆さんもそれぞれ趣味があるでしょう。
一般的には、
これらの趣味は「自分の時間」に
「自分のお金」で楽しむものです。
同じ車の運転でも、
生活のために仕事として
イヤイヤ車の運転をしているタクシードライバーも
いるかもしれません。
逆に私のように自分でお金を払ってでも
車を運転しみたい人もいます。
運転という行為自体は同じなのに、
ある人にとっては苦痛であったり、
またある人にとっては楽しみだったりします。
なんだか不思議な気がしませんか?

ここでゲームを使った社会実験をご紹介しましょう。
ゲームが大好きな人達を対象にして、
レアアイテム収集やレベル上げなどを内容とする
アルバイトの募集と実験が行われました。
「ゲームを仕事にできるって?
24時間でもやり続けられる
自分にとってはまさに天職だ!」
「趣味を仕事にできるなんて!」
と喜び勇んで、
たくさんのゲーマーが応募してきたそうです。
最初は楽しくゲームをしていました。
仕事である以上は目標が設定され、
また当然に報酬も支給されます。
それ故に
「いついつまでレベル99にしなければならない」
といった義務感も生まれ、
徐々にゲームそのものではなく
対価が目的になっていきました。
趣味では楽しかったゲームが
「お金のための作業」となり、
だんだん苦痛になって結局、
最後はみんな辞めてしまったそうです。

「やりがい」とは本来
その行為自体が楽しい等、
やっている最中に感じるものであるはずです。
一方で、給与や休日、福利厚生などの労働条件は
仕事そのものの楽しみでもなければ、
やっている最中に感じられるものではありません。
だから先の求人票のように
「休日が多い=やりがいがある」という表現は
日本語として矛盾しています。
働く目的を対価や報酬、
労働条件だけにフォーカスすると
先のゲーム実験と同じように、
仕事は「できたらやりたくないもの」となり、
時間も「短いほど良いもの」となり、
内容も「ラクなほど良い」となっていきます。
生きるために仕方なく働く≒時間の切り売り
になっていきます。
何だか寂しい気がするのは私だけでしょうか。

作用反作用と同じで「やりがい」とは
やった分だけ感じられるものです。
本気でやってうまく行けば本気で嬉しいし、
失敗すれば本気で悔しいでしょう。
だからいい加減にやっていれば
失敗しても悔しくないでしょう。
本質的に誰かに与えてもらうものではなく、
また自分の外に求めるものでも
ないのかもしれません。
きっと「生きがい」も一緒だと思いますが、
皆さんいかがでしょうか?

今週も幸せの種を蒔きましょう。
私たちの周りにいてくれる大切な人が
幸せでありますように。

To be continued…