社長通信(Never Ending Story) vol.26

  • 社長通信

みなさん、こんにちは!
本日も【社長通信】をお届け♪

~3歩先をみつめ、2歩先を語り、1歩先を照らす~

本田技研工業株式会社という会社があります。
1946年に静岡県浜松市で
本田宗一郎という稀代の天才が創業した会社で、
今ではホンダの名称で愛される
世界的なオートバイメーカー、
自動車メーカーです。
宗一郎はホンダがまだ小さな会社だった頃から、
マン島のTTレースやF1など
世界のビッグレースへの参加を宣言。
苦難の果てにどちらでも優勝を果たすなどなど、
本田宗一郎に関する伝説的エピソードは
今でもよく知られています。

創業者の本田宗一郎は徹底した技術屋でした。
いつも作業服を着て、
現場で油まみれになっているような
徹底した現場人間だったそうです。
現場に入り浸るあまり、
会社の実印さえ見たことも握ったこともなかった…
とも言われています。
なぜそんなことができたのでしょうか?
その陰には1人の男の存在がありました。
名前を藤沢武夫といいます。
名参謀といわれる藤沢に
経営の全権を委ねることで、
宗一郎は安心して技術に徹することができました。
今風に言えば、
本田宗一郎がCTO(最高技術責任者)あり、
藤沢武夫がCEO(最高経営責任者)
といった感じかも知れません。

さて、その藤沢武夫が
経営やリーダーシップに関して
このような言葉を残しています。

「リーダーとは、3歩先をみつめ、
2歩先を語り、1歩先を照らすものだ」

経営とは、
真っ暗闇の夜道を
歩くようなものだと言われています。
未来のことは誰にもわかりません。
この50年を振り返って見ても、
世界的な経済危機や自然災害、
大規模なテロ、国際紛争、
疫病の流行がありました。
それらを受けて日本でも不景気や、
相次ぐ自然災害など…
数え上げればキリがないほどです。
もちろんこれで終わりではありませんから、
またそのうち私たちの生活の根底を
揺らがすような大きな出来事が
幾度も起きるでしょう。
そんな中でも雇用を守るために
経営をしていかなければいけません。

「3歩先をみつめる」とは、
真っ暗闇で先の見えないこの世の中にあって、
他の人には見えていない世界を
リーダーが自身の頭の中に描くことだと思います。
誰もが考えない遠いところまで思いを馳せるのが
リーダーであるということでしょうか。
周りの人には見えていない、
リーダーの頭の中にだけ
存在する世界のことなので、
理解してもらえないことがほとんどでしょう。
「みつめる」というこの言葉のチョイスには
藤沢自身が乗り越えてきたものが
透けて見えるような感じがします。
私の感覚ではこれが「ミッション」です。

リーダーにだけ見えている世界(の一部)を、
周りの人に理解してもらうためには
「2歩先を語る」必要があります。
もう少し身近な範囲の中で、
もう少し具体的で想像しやすいようなものに例えて、
リーダーだけが見ている世界を
周りの人たちに伝えるということでしょう。
私の感覚ではこれが「ビジョン」です。

「1歩先を照らす」とは、
上記を受けてどこへ進んだらいいか
わからない真っ暗闇の中で、
周りの人に目の前の具体的な一歩を
踏み出す場所を指し示すということでしょう。
私の感覚では「目標」ということになります。

ということで、藤沢の本意はわかりませんが、
私流に言い換えると
「リーダーとは、ミッションを念頭に置いて、
ビジョンを語り、目標を示すもの」
ということになります。

リーダーをやっていると、
日々のいろいろな場面で
周囲から理解を得られない場面が
当たり前のようにあるものです。
そもそも周りの人たちには見えていない世界を
見据えているのがリーダーであり、
そうでなければリーダーではありません。
メンバーとの間にギャップはあって当然で、
だからこそ語り、
また照らす必要があるのではないでしょうか。
もしギャップがないならば、
それは問題なのかもしれません。
藤沢の言葉が
悩めるあなたの心に届けば嬉しいです。

今週も幸せの種を蒔きましょう。
私たちの周りにいてくれる大切な人が
幸せであり続けますように。

To be continued…